堺市は1日、新型コロナワクチンの接種予約のコールセンターで、用意した160回線の半分で着信直後に通話が切れてしまう設定ミスがあったと発表した。ミスのあった回線は所定の通話料がかかるナビダイヤルで、対象となる着信数は約5万5千回、約58万円の通話料が発生した。
発表によると、ミスをしたのは、市のコールセンターでシステム業務を担った業者(東京)。このシステム業者が誤って、増強した80回線の有効期限を6月11日夜に設定したという。
コールセンターの回線数は、市民から「つながりにくい」という声が上がったため、5月20日から増強。160回線が予約受け付け用だった。
市民が予約する際、0570で始まるコールセンターの番号にかけると、ひもづけされた160回線の番号に転送され、オペレーターが対応する仕組み。つながると、携帯電話は20秒11円、固定電話は3分9・35円がかかる。機能しない番号に割り振られると、すぐに切れるが通話料は発生する。
8月2日に40歳以上の予約を始めた際、電話がつながりにくい状況が続いたことを不審に思った市職員が受信状況を確認。通話時間が極端に短い着信が多数あることに気がついた。業者が原因を調べ、同日午前中に復旧したという。
6月12日~8月2日の復旧までの間にあった80回線への着信数は約5万5千回。市民らが負担した通話料は計約58万円。すぐに切れるため、機能していた回線に割り振られるまで何度もかけた人もおり、最もかけた人は計83回にのぼる。非通知でかけた約1千件を除き、特定できた番号約1万1500件にはコールセンター設置を市から委託された別業者(東京)が電話をして謝罪する。
この業者が窓口(0120・125・188)でも対応する。被害額が手数料より少ないケースがほとんどのため、「振り込みは考えていない」という。(井石栄司)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル